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出生前診断コラム⑤ 確定診断って何?

こんにちは。遺伝カウンセラーの青木です。
すごく久しぶりに出生前診断コラムを更新させていただきます。

今までのコラムはこちらをご覧ください。

今日のテーマは『確定診断』です。
以前に少しだけ、こちらで書かせていただいたのですが、確定診断は胎児の組織そのものを調べていく検査のことをさします。

具体的には絨毛検査や羊水検査のことです。
どちらの検査もこんな感じに染色体をお写真で見ていく検査です。

染色体の数と形を顕微鏡で確認していきます。一本多い、欠けている増えているなどの染色体の状態が直接確認できるので、何かが見つかった場合は『確定』となる検査です。

では、具体的には何をしているのか……
絨毛検査は胎児の絨毛膜の組織を取っていく検査のことです。
ヒトの身体は一つの受精卵が分裂して出来上がりますが、絨毛膜も胎児と同じ受精卵の分裂によって作られるので、原則同じ細胞でできていることになります。
但し、細胞の分裂はその過程でエラーを起こすこともあります。
受精卵がお母さんの身体に着床するときや赤ちゃんが育っていく過程で、起こってくるエラーはその種類によっては、モザイク型と言われる染色体異常を起こすことがあります。
*モザイクとは正常な細胞と異常な細胞が混ざっている状態を指します。
絨毛検査では、このモザイクによって、赤ちゃんの染色体と絨毛の染色体の状態が一致しないことが1%程度あると言われています。(胎盤限局性モザイク(CPM)と呼ばれます。)
CPMの疑いがある場合、羊水検査で確認が必要になることもあります。
その分、少しだけ絨毛検査の方が精度が低いともいえるかもしれません。

羊水検査は、胎児が浮いている羊水を取ってくることで、羊水中に浮かんでる胎児の垢や膀胱から剥がれ落ちた細胞を拾ってくる検査です。胎児の細胞を直接拾ってこれるので、現時点で行われている出生前の検査の中で一番制度が高いものになります。

どちらの検査も、染色体をしっかりとみていくことが出来る検査ですが、赤ちゃんの状態などによって見つからない特殊な染色体異常の子もいらっしゃいますので、100%わかるという言い方はできません。

ただ、現時点で羊水検査で見つからない染色体異常を他の検査で確定することはできないので、医学の限界がここにあるという言い方が正しいかもしれません。

この二つの検査は精度は高い検査ですが、どうしても針を刺すため、流産のリスクがあります。
羊水検査で0.3%、絨毛検査で1%程度の流産率があると言われています。
正直、本当にこれだけのリスクはあるのかどうかを疑問に思ってらっしゃる先生も多くいらっしゃるのですが、大切なことはリスクが0ではないという事です。
たとえ、0.3%のリスクが0.1%のリスクになったとしても、その0.1%が自分の赤ちゃんになってしまう可能性は残されている検査だという事です。
リスクをかけてもするべきか、それでも調べてあげることにメリットがあるのか、リスクのない検査ではなく、確定診断を選ぶ理由をご家族でよく話し合ったうえで決めていただくことが重要です。

検査をご希望の方、ご相談をご希望の方は夙川、宝塚の遺伝カウンセラーまでお伝えください。
いつでもお待ちしております。

 

 

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